ビカクシダ(Platycerium)

ウラボシ科 
常緑多年草
原産地 南米、東南アジア、アフリカ、オセアニア

[置き場所]
秋から春はできるだけ光線に当てるようにしますが,夏の直射日光は葉焼けを起こすことがあるので半日陰で管理します。
着生植物なので、ジャングルでの樹上生活をする性質を考えるとよく理解できます。乾季(冬に相当)には高木の葉が落ちて、木の幹に着生しているビカクシダにも日が良く当たりますが,雨季(夏に相当)には高木の葉が茂り,直射日光をさえぎります。
veitchiiなど通年直射光を好むものもありますが,もし直射光下に置く場合でも徐々に強光線に慣らしていき,風通しのよいところに置くことが必要です。シダというと部屋の奥のほうの日陰でも大丈夫だと思われがちですが,やはり明るい方が強く育ち姿もガッチリします。

[冬越し]
ビカクシダは高温を好むので,気温降下の10月に入ったら室内に搬入します。
最低気温12~15度Cを保ち,水やりを控えれば問題はないでしょう.いっぽう,ビフルカタムやヒリーなどのオセアニア地方出身の種類は耐寒性が強く,乾燥状態にしておけば氷点下にならない(凍結しない)限り越冬しますが,最低5度はほしいところです。

[潅水]
水やりは冬場は週に1回くらいで充分ですが生育期の春から秋にかけては2~3日に1回たっぷりと与えます。
水をやるときは外套葉の裏側に水やりをします。鉢植えの場合は鉢ごと水を入れたバケツにつけてもいいでしょう。貯水葉の裏に根が生えています。
その部分に水がかかるように与えますが,あまり回数を多く与えすぎないように注意します。いつもぐっしょりと濡れている状態だと,貯水葉が腐ってくるのが目に見えて分かります。かといって貯水葉が妨げになって潅水が不十分であると成長不良・枯死の原因になります。
春から秋の生育期には植えこみ材の表面が乾いたらたっぷり与え,ほとんど生育が止まる冬は植えこみ材が完全に乾いてから与えます。

[施肥]
生育期に2ヶ月に1回,緩効性の化学肥料か油粕を団子状に固めて腐熟したものなどの置き肥を,重なっている古い貯水葉の裏側に与えます.鉢植えの場合は鉢の周辺に油粕を置肥してもよいでしょう。

[病害虫]
生育期にカイガラムシが発生しやすいので注意します。発生した場合は歯ブラシでこすり落とすか,カイガラムシ用の薬剤などを散布し防除します。
株分けでふやすことができます。親株の外套葉の下から子株がでてきます。
子株の実葉が3枚以上出ていれば、切り取って鉢に植え付けます。

ビカクシダ<small>(Platycerium)</small>